アフリカ竹取物語

ケニアで竹の研究をしている院生の記録

妖怪研究者と会う

(ネット環境が悪かったので書き溜めていた記事です)

昨日また、ナイロビ学振オフィスへ行ってきた。
たまたま近くで予定があったので、そのついでに時間があれば借りていた本(きりひと賛歌)を返そうと思ったのだ。


この一週間、研究に対する精神的に焦る気持ちとケニアに適応しきれないまどろっこしさでアウトプット作業やフィールド調査準備がままならないでいた。
だからこそ、学振オフィスのような小ざっぱりとした空間で少しでも作業を進めたかった。


学振オフィスの図書室に入ると日本人が作業をしていた。前回は日本人に会うことがなかったので驚いたが、話してみるとなんと学振オフィスの所長というお偉い方だった。


そして、なんと私がかつて協力隊として赴任していた地域の部族研究をしていたということで大いに盛り上がった。しかも研究対象は妖術と妖怪。かなり興味深い。


光栄なことに、先日、所長がフランスで公演してきたという水木しげるの漫画を用いたフィールド調査手法というスライドも見せていただいた。これまでいろいろな研究を見てきたけれどこんなにオモチロイ研究を見たのはいつぶりなんだろう。大学で面白い研究に研究費を出す京大おもろチャレンジという企画があるが、その企画なんかより断然オモチロイ!!!


日本をバックグラウンドとして戦時中に南方へ出向いて集められた水木しげるの妖怪大全の漫画をアフリカの聞き取り調査で使う(詳しくはひみつ)という斬新な研究法を聞いて、未知なものにチャレンジしたいという研究者心がはしゃいだ。


ケニアの竹の研究でも似たような手法を使うことが出来ないだろうか?
調査地域の竹に関する伝承や利用を調査する上で、所長の手法の真似事が出来るかもしれない。というのは、前回の調査中に調査地域のグループリーダーがキクユ語で「竹と風が歌っている~♪」と歌を歌っていたのだ。当初、フィールドワークに不慣れだった私は住民グループに面と向かって竹の伝承や利用を聞き「竹に関してはわからない。」と言われていただけに、この歌は衝撃であった。
リーダーに話を聞けば、即興ではなく昔家族が歌っていたという。私は現在、調査地には竹に関する理由や伝承があると仮説を立てている。それはこの歌から判明したように、おそらく住民は、普段竹を意識していないだけで実は竹に関しての何らかの見解を持っていると考えているからである。そもそもこの土地は竹林地帯なのだ。


さて、結局この日は学振オフィスでパソコンを開くことなく所長と話をしただけであった。
しかし中身のある話であったし、私としてはかなりの大収穫であった。
ずっと一匹狼の研究者として調査をしてきたけれど、オリジナリティを高めるためには一人でいるんじゃなくて、異分野の研究者の人ともっと関わらなきゃダメだ!

2017年6月14日